6/24/2021

天城越えにおけるアニメーション的思考

 みなさん、天城越えという歌を知ってますか?歌っているのは石川さゆりさんなのですが、

この方は歌が上手いだけでなく、歌っているときの表情や振り付けがとても素晴らしいです。

今回は、この天城越えを僕の独断と偏見に溢れたアニメーター視線でどのように素晴らしいかをさらっとまとめていきたいと思います。

とりあえずこれが天城越えだ!

天城越え


勿体ぶってもしょうがないので、早速書いていくと、

まず開始早々の38秒あたり、隠しきれない移り香がいつしか貴方に、染み付いた。の部分!

気づきましたか?いつしか貴方にの後に、深い瞬きをしているのを!そしてその後の表情が相手のことを思い出す表情に変化したのを!思いが遥か遠くの彼のもとに飛んでいっているのを感じませんか?

その後に続く歌詞の部分、「誰かに盗られるくらいなら」盗られると歌っているときにわずかですが首を左右に降っていますよね。そうですよ、サブテキストですよね。「盗られたくない!」っていう現れですね。この歌の女の人の深い愛情を感じます。

さらにその後に続く「貴方を殺してもいいですか」という部分を歌い終わった後にまた深く目を閉じてますね。これは多分貴方をやったら、私も自害するわ的な表現なんじゃないかなと。Prince の歌詞に' I hate you, because I love you'って歌詞があるんですが、あれと似たような感じでしょうね。

1分23秒からはもう、指(腕)の動きが最高に素晴らしい。感情をすごく表現してると思います。

そして、サビの「貴方と超えたい、天城越え」の部分で手を大きく前に出すポーズ。きっとこれは越えられないんだなという切ない思いがひしひしと伝わってくるじゃないですか。なぜそう思うかって?その後の間奏の間の石川さんの切ない表情を見てると、そう思えてきません?

とまぁ、歌は二番へと続きます。僕は普段演歌をあまり聞かないのですが、石川さんの歌唱力に加えて、表現力の素晴らしさにも感動しました。特に僕が感じたのは、石川さんは目を使うのが非常に優れているなと。いや、いいもの見ました。




1/25/2018

アクティングアニメーションへのアプローチ


今回は久々のアニメーションネタで、
アクティングアニメーションへのアプローチの仕方について書いていきたいと思います。
というのもアクティングを始めたいけど、
どのように始めたら良いのかいまいちわからないという質問を多々もらったからです。 そもそも、アクティングとはなんでしょう。辞書の定義によると、
「他人の役割を演じる、取り持つ」ということらしいです。
これをアニメーションに置き換えると「キャラクターの役割を演じる」って感じですかね。 では、この役割を演じるにあたって必要なものはなんでしょう?
  1. キャラクターのバックグラウンド
  2. 何を考えているのか
  3. 何をかんじているのか
大まかにこの様になります。つまりこれらの情報を知る(設定する)ことにより、
キャラクターがどのように行動するのかを予測しやすくなります。
一方これらを考慮しないでアニメーションを作成し始めると、
キャラクターやショットにそぐわないアニメーションが完成してしまいます。
次にぶつかる壁として、英語でアクティングを始めたけど、
「日本人だからどういうリアクションするのかわからない。
リアクションつけたけどなんか不自然」という質問。 でもそれって、海外の文化がわからないから作れないっていうのはホント?
おそらく30%位は本当です。でも大抵の場合は対して問題ない場合が多いです。 というのも、そもそもアニメーション自体が、
文化的背景にとらわれない様につくろうとされているからです。
だって、文化的背景にどっぷりはまったアニメーション作っちゃうと、
他の国の人が見て理解できないじゃないですか?
世界的マーケットを狙うならの国でも見ただけで理解しやすいアニメーションが必要です。
とくにアニメーションだと、見る対象が低年齢層なので、
そういうものに大きく依存するわけにはいかないのです。 なので、僕たちがアニメーションを作るときは
「自分だったらどうするだろう?」
と考えれば大抵多くの人が理解できるアクティングになるはずです。
そこでまず、奇をてらったアニメーションなどを作ってしまうと、
逆に皆が理解できないアニメーションになってしまいます。
まずは、シンプルなアニメーションから始めましょう。 と上で書いておきながら、例外があったりします。
それがサブテキストなどを利用したアニメーションです。
これを使用すると、見た目ですぐ理解できるアニメーションよりも少し深みが増します。
ですが、これを多用しすぎると、
これもまた解かりづらいものになってしまうので注意が必要です。 まとめると、良いアクティングアニメーションとは
  • キャラクターの考え、感情がすぐに理解できる
  • サブテキストなどを用いて少しだけ深みがある
  • シンプルである
とまあこんな感じではないでしょうか。

11/23/2017

ビデオリファレンス用のカメラとか動画ソフトとか(入門用)

最近は多くのアニメーターがビデオリファレンスを使用するようになってきたの で、そのことについて少し触れていきます。

まず、ビデオリファレンスとはあくまでリファレンス(参考)であり必ず撮影す る必要もないのですが、最近は多くのアニメーターがビデオリファレン スの有 益さを理解し始め多く使われるようになりました。ビデオリファレンスが支流に なる前は、写真や紙にポーズを描いたりしてリファレンスとして いました。

さてではまずビデオリファレンスで必要なものといえば、カメラ。僕は以前コン デジのビデオ機能でリファレンスを撮影し、それを利用していました が、もう 少し高解像度なものが欲しく、GOPROを購入しました。GoProの良いところは、ス マートフォンからリモート操作を行えるところで、 これは一人でリファレンス を撮るには非常に重宝しています。
毎回人に撮影を頼めるわけではないですし、僕の場合リファレンスを撮っていた のは会社に行く前の早朝とかだったので、リモート撮影は非常に便利で した。

あとは、フレームレートが撮影のときに選べるところもアニメーターにはありが たい機能ですし、60fpsで撮影できるのもなかなか便利です。普段 見えない動 きもスローで撮ることにより見えてきたりします。(もちろんそれをアニメー ションに取り入れるか否かは本人次第ですが)

高解像度の撮影の良いところは細かい動きまで確認できるところです。
例えば表情のリファレンスを撮影した場合、情報が多ければ多いほどアニメー ションに役立ちます。多くの情報の中から、なにがその表情のエッセンス かを 見極めてそれを取捨選択していくからです。この選択肢が少なければ、もちろん リファレンスの価値も低くなってしまうので、やはり低解像度より も高解像度 のほうがおすすめです。

リファレンスに向いているであろうカメラは
1リモート操作ができる
2フレームレートが選べる
3高解像度でとれる

だと思います。あとは値段との相談で。

次に撮影した動画の変換ですが、
1家で変換する場合
2会社で変換する場合
の二種類になります。

1の場合
この場合ぼくはクイックタイムプロ7で変換しています。最新のバージョンは 10ですが使い勝手が良くないので、未だに古いこのバージョンを使って いま す。ぼくはマックを使っていますが、おそらくWindowsでも機能は同じだと思い ます。
https://support.apple.com/en_GB/downloads/quicktime

2の場合
この場合は会社のマシーンに入っているRVというソフトを使用します。
今このソフトはショットガンにバンドルされていますが、以前は別売りでした。
ショットガンを使用しているならば、ソフトがあるかもしれないので使用してみ てはいかがでしょう。非常に多機能で使いやすいソフトです。
http://www.tweaksoftware.com/

動画再生で使用している両ソフトに共通しているのは、コマ送り再生ができると ころです。
アニメーションをする際にコマ送りは必要不可欠な機能だと思います。なので、 上記以外の再生プレイヤーを使う場合でも、コマ送り機能があるものを 選ぶの がよいと思います。


また、フレームレートですが、作るアニメーションのfpsと動画のfpsが異なって いても自己補間できますが、できるだけ合わせたほうが作業が楽 になると思い ます。またフレームレートを変換する事により重要なフレームがなくなったり、 間延びしたりする事があるという点にも注意して変換する ようにしましょう。

では今回はこれくらいで!