4/20/2014

Animatorの仕事の話

今回は、仕事の感じなどを書いてみます。海外志望の人の参考になれば嬉しいです。
僕が今働いているのはFramestoreというVFX会社なので、大半がと言うか、ほぼ全てが実写との合成、映画の仕事となります。仕事の感じなのですが、コレまたプロジェクト、各スタジオ(UKとMontreal)によっても大きく変わってきます。Montrealではアニメーターは全体で25人位でやってます。みんな基本アニメーターは長期の契約で働いています。(Londonの方ではプロジェクトごとの契約があったりします)

以前少しだけ手伝った"Jupiter Ascending"このプロジェクトでAnimatorの主な仕事は

  • クリーチャーアニメーション 
  • 飛行機、ロボットなのどのアニメーション
  • デジタルダブルのアニメーション
  • ドア、主砲などのアニメーション
  • トラッキング的なアニメーション


などがありました。補足すると、デジタルダブルのアニメーションとは、実際に撮影した人物の動きを変えたい時、実際に撮影できないような動き、身体の一部をCGなどに変えたい時などです。また、トラッキング的なアニメーションとは、トラッキングやロトの人たちが出来ない、もっと精密な物が必要な場合、アニメーターに振られたりします。上記にデジタルッダブルの仕事と似たような感じです。実際このプロジェクトで、僕はトラッカーが追従できない、レバーの動きを数日ちまちまトラッキングしてました。
あと、このプロジェクトでは、エフェクトが多いため、アニメーターがエフェクトの見え方、タイミング等のリファレンスも作っていました。

そして今僕が関わっている"Paddington"での主な仕事は


  • Paddingtonのキャラクアーアニメーション
以上!
という風にプロジェクトによって大きく変わります。

しかし、VFX会社なので、どちらもリアルな物が要求されます。動きも実物の物から、理論的に考えて付けて行きます。多少の”嘘”、”誇張”はありますが。
アニメーション用語としては”Push”とか言ったりします。”押す”と言う意味ですがもっと誇張してみて、とかもう少し派手な感じにみたいな感じです。かといって、日本のアニメーションほど、誇張する事はあまり無いです。

以前、日本で「2Dのアニメーターは一枚一枚手で書いてるから、ちゃんと各コマに目がとおってるけど、今のフルCGアニメーションはキーフレームの間はソフトが自動補完してくれるから、コマ単位の確認しないよね」
なんて言われてる方が居ましたが、コチラは大多数が、フレーム単位でスペーシングや、ポーズの確認をしています。この辺りの細かい作業が、クオリティ向上に一役買っているのではないでしょうか。確かに僕の経験上、日本のフルCGアニメーション系は流れで確認する事が多く、フレーム単位で確認することは少なかった様に思います。

基本的に数ショットが振られてその作業を続けて行くというやり方です。デイリーというレビューが基本毎日設定されていて、決まった時間までにサブミット(提出)すると、コーディネーターの人などが、自分の番に呼びにきてくれます。デイリーは主にスーパーバイザー、リード、自分が関わっているショットの前後のアニメーター(ショットシーケンスのひとまとまり、例えばAa120_150というショットが自分に振られていた場合、Aa120というシーケンスにショットを持っている人達と一緒にします)そこで、各ショットの話し合いや、前後のつながりを見て話し合いながら詰めて行きます。デイリーは毎日出す必要はありませんが、今のスーパーバイザーは少しでも進捗が見たい人なので、全ショットバランスよく進めてなるべく多くサブミットするようにしています。デイリーの規則も特に決まっている訳ではなく、プロジェクトのニーズによって色々と変わって行ったりします。
また、大半が実写との合成なので、タイミング、動ける範囲などが既に決まっている(既に撮影された女優、男優との絡みの演技、撮影セットが既に決まっているなど)事が多いため、巧くそれにマッチするようなアニメーションを作るのも楽しくもあり、難しい所だと思います。



3/22/2014

働き始めて感じた違いなどなど

今回は働き始めて気付いた日本との違い(アニメーター視点中心)をまとめたいと思います。前提として、書いている事が全てのスタジオに当てはまるという事ではないです、念のため。

  • フィードバックは主にアクティング中心--この感情ならこういう動きではなくて、こうしてほしいとか。
  • シルエットを大切に--上記を考えつつ、line of actionを考えます。日本で云う、取り合えず、カッコいいポーズというのではなくて、キャラのポーズの流れに意識を置いた感じです
  • Anatomyにそったアニメーションが要求される--身体も、顔も動きのつながりをちゃんとするように言われます。わかり易い例でたとえると、フェイシャルで喋っているけど、動いてるのは口の周りだけとか。これは勿論NGです。
  • リファレンスが大量に用意される-サーバーに関係あるものが用意されます。
  • みんな結構共有大好き-日本では経験無かったのですが、このまばたきの動画凄い!とかメールリングリストで回ってきたりします。
  • 話し合いでアニメーションを作って行く感じ--もちろん、上からのディレクションがくるのですが、こんな動きも付け足したいとか、この時のキャラの感情ならこっちの方が良くない?とかとにかく、いいアニメーションを付けるためにああだこうだ話し合ってます。そしてみんな、その意見に耳を傾けます。
  • 分業制と思われてるけど実は他のセクションとも密接にやり取りしている--完全分業制でアニメーション意外は関わらない分けではなくて、結構いろんなディビジョンとやり取りしています。なんで、アニメーションつけた!ハイおしまい!という訳ではないです。がしかし、そのディビジョン間のやり取りは、コーディネーターが取り持ってくれるので、自分自身でわざわざという感じではないです。
  • どのアニメーションがどれくらい難しいかという事を上がちゃんと解っている--これは僕の経験上ですが、日本だと、いつもアクション>アクティングという難しさ基準みたいなのが暗黙のうちに出来ているような。。勿論そういう場合もありますが、”ジャンプして一回転する”アニメーションより、”一回うなずく”というアクティングのアニメーションの方が難しいときもあるという事。
  • とりあえずみんないろんなバージョンを考えてる--みんな楽しんでます。

とまあ、こんな感じです。上にも書きましたけど、これはスタジオによって違います。というか同じスタジオでも楽しんでるのはアニメーターだけかも。





2/15/2014

Let it go は素晴らしい

年が明けて久しぶりの更新です。
もうすぐ公開の"Frozen"。僕は映画館でべた惚れして、家に帰って速攻Youtubeで"Let it go"を見つけて何回も見ていました。このシーケンスはとても良く出来ていると思います。以前なら”このシーケンスは凄い!!”とわかってても、どこが凄いのかが自分ではっきりとは説明できなかったのですが、今は少しばかり上達したのである程度どこが凄いのかが説明できるようになりました。なので今回はどこが”凄いのか”という所を少しだけ書きたいと思います。

このシーケンスは大まかに4つの部分に分ける事が出来ると思います。そしてそれに対応して彼女の心情がどんどん変化して行きます。そこがこのシーケンスの見せ場だと思います。でそれぞれの心情の変化をどのように表しているかというと、まず手袋を脱ぎ捨て、次にマント、そしてティアラ、最後に服。これらが歌の盛り上がりと巧くマッチして徐々に彼女の解放を盛り上げていっています。この演出はとても良く出来ていて、身から外してゆく物は外側部分の物から、徐々に内面に近い物に。この捨て去る順序もとてもよく練られていると思います。

アニメーション的には手袋を捨て、二回目の氷を出す前に自分のマントを一度後ろにまわしてから氷を出すのですが、このさりげない仕草がいいテクスチャーとなっています。(01:17の辺りから)。その後、マントを取るのですが、そのときのフェイシャルも心情をとてもよく表していて、素晴らしいです。まず口が右唇上がりになっていて(この右唇上がりは最後のショットでも出てきます)最後、視線は長くマントを見続けています。コレは彼女の”さようなら〜”という少しニヒルな感情を巧く表現しています。

ここからの歩きは今までと一転して、軽快で動きも徐々に大きい歩き方に変化します。コレも心情の移り変わりを巧く表していますし、顔も今までとは違って徐々に上向きになっていきます。(上向きは希望などをもったときによく使われる表現です)

"Here I stay~"(02:16)と言う部分で彼女はスカートを軽く持ち上げます。前述したマントと同様、素晴らしいテクスチャーでここでまた繰り返すことで、彼女のキャラクター付けを手伝っています。その後の彼女が両手を上げる部分(02:26)で下唇を噛んでいるのも彼女のキャラクター付けに貢献しています。

(02:54)からは一番好きなシーケンス、ティアラを捨てて髪を解く部分。
彼女はティアラを投げる前に遠くを見つめ、そしてその後一度ティアラに視線を戻し、投げます。この視線の動きだけで彼女の心情がわかるすばらしアニメーションです。髪をとく前も大きいaniticipationと共に瞬きを入れて、気持ちの切り変わりが巧く表現されています。

本当はもっともっと書きたい事があるのですが、とても書ききれないと思うのでコレくらいにしておきます。で、結局、何が言いたいのかというと、このシーケスは凄いと。それだけです。