5/05/2014

続 Animatorの仕事の話 質疑応答編

前回書いたエントリーに対する質問があったので、今回はそれについての返答をまとめたいと思います。


  • Mocapの話が出ていたけど、Mocapデーターを修正する別のチームがあるのか?またMocapデーターの編集はしているのか?
Mocapデーターだけを修正しているチームはありません。編集するならAnimatorがやる事になります。あと、コレはスタジオ、プロジェクトにもよると思いますが、今のスタジオは僕が入社してからのプロジェクトを見る限り、Mocapデーターを使用しておらず、手付けでアニメーションしています。また、前回書いた、デジタルダブルもちまちま手付けでやってました。


  • 以前僕がやっていたIanimateと、実際の現場の差はあったか?

コレについてですが、授業でやっていた物と現場の差はほとんど感じません。勿論作業時間の差などはありますが、求められるクオリティ、考え方、アニメーションに対する態度などは同じでした。なので僕自身はとても役立ったと思います。とくに、海外での経験もなく、日本からこのようなアプローチを学べたのが大きかったです。(しつこいようですが、コレはあくまで個人的な感想です。全ての人がこのように感じるというわけではありません)


  • デイリーについてもう少し詳しく!
デイリーについてもう少し詳しく書きますと、今のプロジェクトは夕方4時くらいまでにサブミットすると、その日のデイリーでなんだかのノート(修正、指示、OKなど)がもらえるようになっています。もちろん、自分の担当のショット全て出してもいいですが、一つだけもしくは出さなくても構いません。そして、デイリーで言われた事や、話した事はプロダクション(制作進行の人たち)が全部メモしていてくれて、Shotgun経由で自分のショットに記述されます。という分けなので、デイリー中は特にメモを取るのに忙しいという事にはならず、スーパーバイザーとの会話等に集中出来るようになっています。この辺りはとても効率よくなっています。


  • 英語は打丈夫なの?
なんと言うか、大丈夫です。特に困った事はありません。例えばもしショットの修正等の話をしていて、言っている単語が解らず、おおよその理解しか出来ない場合があるとします。こういう場合は、「あなたがいってるのは〜だよね?」と自分の知っている単語で確認します。もし自分の解釈があっていれば、『そうだよ』と返事が来るし間違っているばあいは相手が別の単語に置き換えてもう一度説明してくれます。コレの繰り返しです。


  • 演技出来ないショットでもみんななるべくリファレンスとってるの?
これも個人様々で、頑張ってリファレンスしてる同僚もいれば、Youtubeとかで探すアニメーターも居ます。また、サムネイルを書くアニメーターも居ます。この辺りは自分のやり易いようにやったり、各自色々と工夫してやっています。総じて言える事は、何かのリファレンス無しにアニメーション付けているアニメーターは居ないという事です。みんな何かしらの『リファレス』を作っています。

と今回は質問あった物をまとめてみました。また需要があればこういう話題も書いて行こうとも居ます。

4/20/2014

Animatorの仕事の話

今回は、仕事の感じなどを書いてみます。海外志望の人の参考になれば嬉しいです。
僕が今働いているのはFramestoreというVFX会社なので、大半がと言うか、ほぼ全てが実写との合成、映画の仕事となります。仕事の感じなのですが、コレまたプロジェクト、各スタジオ(UKとMontreal)によっても大きく変わってきます。Montrealではアニメーターは全体で25人位でやってます。みんな基本アニメーターは長期の契約で働いています。(Londonの方ではプロジェクトごとの契約があったりします)

以前少しだけ手伝った"Jupiter Ascending"このプロジェクトでAnimatorの主な仕事は

  • クリーチャーアニメーション 
  • 飛行機、ロボットなのどのアニメーション
  • デジタルダブルのアニメーション
  • ドア、主砲などのアニメーション
  • トラッキング的なアニメーション


などがありました。補足すると、デジタルダブルのアニメーションとは、実際に撮影した人物の動きを変えたい時、実際に撮影できないような動き、身体の一部をCGなどに変えたい時などです。また、トラッキング的なアニメーションとは、トラッキングやロトの人たちが出来ない、もっと精密な物が必要な場合、アニメーターに振られたりします。上記にデジタルッダブルの仕事と似たような感じです。実際このプロジェクトで、僕はトラッカーが追従できない、レバーの動きを数日ちまちまトラッキングしてました。
あと、このプロジェクトでは、エフェクトが多いため、アニメーターがエフェクトの見え方、タイミング等のリファレンスも作っていました。

そして今僕が関わっている"Paddington"での主な仕事は


  • Paddingtonのキャラクアーアニメーション
以上!
という風にプロジェクトによって大きく変わります。

しかし、VFX会社なので、どちらもリアルな物が要求されます。動きも実物の物から、理論的に考えて付けて行きます。多少の”嘘”、”誇張”はありますが。
アニメーション用語としては”Push”とか言ったりします。”押す”と言う意味ですがもっと誇張してみて、とかもう少し派手な感じにみたいな感じです。かといって、日本のアニメーションほど、誇張する事はあまり無いです。

以前、日本で「2Dのアニメーターは一枚一枚手で書いてるから、ちゃんと各コマに目がとおってるけど、今のフルCGアニメーションはキーフレームの間はソフトが自動補完してくれるから、コマ単位の確認しないよね」
なんて言われてる方が居ましたが、コチラは大多数が、フレーム単位でスペーシングや、ポーズの確認をしています。この辺りの細かい作業が、クオリティ向上に一役買っているのではないでしょうか。確かに僕の経験上、日本のフルCGアニメーション系は流れで確認する事が多く、フレーム単位で確認することは少なかった様に思います。

基本的に数ショットが振られてその作業を続けて行くというやり方です。デイリーというレビューが基本毎日設定されていて、決まった時間までにサブミット(提出)すると、コーディネーターの人などが、自分の番に呼びにきてくれます。デイリーは主にスーパーバイザー、リード、自分が関わっているショットの前後のアニメーター(ショットシーケンスのひとまとまり、例えばAa120_150というショットが自分に振られていた場合、Aa120というシーケンスにショットを持っている人達と一緒にします)そこで、各ショットの話し合いや、前後のつながりを見て話し合いながら詰めて行きます。デイリーは毎日出す必要はありませんが、今のスーパーバイザーは少しでも進捗が見たい人なので、全ショットバランスよく進めてなるべく多くサブミットするようにしています。デイリーの規則も特に決まっている訳ではなく、プロジェクトのニーズによって色々と変わって行ったりします。
また、大半が実写との合成なので、タイミング、動ける範囲などが既に決まっている(既に撮影された女優、男優との絡みの演技、撮影セットが既に決まっているなど)事が多いため、巧くそれにマッチするようなアニメーションを作るのも楽しくもあり、難しい所だと思います。



3/22/2014

働き始めて感じた違いなどなど

今回は働き始めて気付いた日本との違い(アニメーター視点中心)をまとめたいと思います。前提として、書いている事が全てのスタジオに当てはまるという事ではないです、念のため。

  • フィードバックは主にアクティング中心--この感情ならこういう動きではなくて、こうしてほしいとか。
  • シルエットを大切に--上記を考えつつ、line of actionを考えます。日本で云う、取り合えず、カッコいいポーズというのではなくて、キャラのポーズの流れに意識を置いた感じです
  • Anatomyにそったアニメーションが要求される--身体も、顔も動きのつながりをちゃんとするように言われます。わかり易い例でたとえると、フェイシャルで喋っているけど、動いてるのは口の周りだけとか。これは勿論NGです。
  • リファレンスが大量に用意される-サーバーに関係あるものが用意されます。
  • みんな結構共有大好き-日本では経験無かったのですが、このまばたきの動画凄い!とかメールリングリストで回ってきたりします。
  • 話し合いでアニメーションを作って行く感じ--もちろん、上からのディレクションがくるのですが、こんな動きも付け足したいとか、この時のキャラの感情ならこっちの方が良くない?とかとにかく、いいアニメーションを付けるためにああだこうだ話し合ってます。そしてみんな、その意見に耳を傾けます。
  • 分業制と思われてるけど実は他のセクションとも密接にやり取りしている--完全分業制でアニメーション意外は関わらない分けではなくて、結構いろんなディビジョンとやり取りしています。なんで、アニメーションつけた!ハイおしまい!という訳ではないです。がしかし、そのディビジョン間のやり取りは、コーディネーターが取り持ってくれるので、自分自身でわざわざという感じではないです。
  • どのアニメーションがどれくらい難しいかという事を上がちゃんと解っている--これは僕の経験上ですが、日本だと、いつもアクション>アクティングという難しさ基準みたいなのが暗黙のうちに出来ているような。。勿論そういう場合もありますが、”ジャンプして一回転する”アニメーションより、”一回うなずく”というアクティングのアニメーションの方が難しいときもあるという事。
  • とりあえずみんないろんなバージョンを考えてる--みんな楽しんでます。

とまあ、こんな感じです。上にも書きましたけど、これはスタジオによって違います。というか同じスタジオでも楽しんでるのはアニメーターだけかも。