12/21/2013

日本から海外就活 アニメーター的視点

今月よりモントリオールのスタジオで働いています。アニメーターの方で海外の大学等に行って、そのまま就職というパターンは見るのですが、日本から応募したまとめ的な物は見つからなかったので、同じような思いの人のお役に立てるならば光栄です。


1リールは何いれるのさ?

コレが一番困りました。というのも僕自身日本に居るわけですしリールにしても何を入れて、リクルーターが何を求めているのが全くわからなかった。また、海外と日本ではアニメーションのスタイルが大きく違うのでそれもどうしようか迷っていました。本来はやはり大学等に行くのが一番良いと思うのですが、お金的余裕も無かったので、Ianimateとというオンラインクラスを始めました。そこで上記の疑問が解決。

リールについてまとめると、まずリクルーターが求めているのはフィジカル+演技のアニメーションリール。バランスよく動いてバランスよく会話しているアニメーションを入れる事が大事。もし、映画関係に出したいのならば、日本での仕事のアニメーションだけをリールに入れても採用されるのは難しい。なのでもっと、細部まで作り込んだアニメーションを入れる(もし、可能ならば仕事のアニメーションをブラッシュアップするとか必要があり。感覚的には日本の仕事のアニメーションがブロッキングのラストパス位の感覚でブラッシュアップすればいいのかも)僕自体のリールも仕事でやった作品は全体の1割くらいで、それを入れたのは技術を見せる為では無くて、この作品に関わりましたよとアピールするため。インタビューでも、なぜプロフェッショナルな作品が少ないのか?と聞かれたので「クオリティが低いから」と正直に行った所、納得してもらえました。


2英語ってどうなの?

これが、結構アニメーターには重要かもしれません。アニメーションは細かい動きや感情などを自分で表現しなければいけないし、演技も台詞等から作らなくてはなりません。
なので、人の感情などに近い単語等が必要になってくると思います。他のモデラーとかコンポジターの人よりもある意味、英語力がキーになってくると思います。あと、やはり自分の付けたアニメーションの説明(このキャラはなぜこう動いたか)位は最低説明できるような英語力は必要になってくると思います。

3インタビューで聞かれた事

まずは自分の経歴。多分面接攻略のどの本にも書かれているであろうこの質問。自分のなかで簡潔に言えるようにまとめておいた方がイイです。1分位話せば十分だと思います。
次に僕が聞かれたのは、プロフェッショナルな仕事のリールが少ないのはなぜか?です。
答えは上記に記しているとおりです。その後に聞かれたのは、どんなアニメーションが作りたいのか?という事。アニメーションの場合リール見たままが自分の実力という事が多いので、コンポジターみたいにどこをどうやったとか、そういう細かい突っ込みは無いと思います。


自分が一番感じた事は、アニメーターの人は自分の仕事をリールにそのまま入れて、応募してもリクルーターの目に留まる事はまずないと感じました。というのも演技的視点のアニメーションが無い、もしくはディテールが少ないからです。(ゲーム会社の方はどうなんでしょう?自分はそちらの方には応募していないのでわからないです)やはり、日本と海外のアニメーションの違いが一番苦労する部分だと思います。そこの差を埋めたリールでないと、HRの目に留まるのは難しと思います。後は、人に見てもらう事。日本人だけでなく、色々な国の人に見てもらってください。特に演技はネイティブに見てもらうのが一番良いです。どのようなリアクションをとって、どのような表情をするのか。人を良く観察するのが良いと思います。僕の場合は、映画などの演技をよくクリップにしてストックしています。そして、リクルーターや、スパーバイザーが一番見たいのは、アニメーションのストーリー(なぜキャラクターはそう判断し、そう動くのか)です。

11/17/2013

Lip sync

今回は少し口周りについて書いてみたいと思います。というのも、あまり正確なlip syncのチュートリアルとか見た事がなかったので、自分のまとめの意味合いも込めて書いていこうかと思います。結構細い部分に重点を置いています。

まず、”口は真ん中から開いて両端から閉じる” 結構この基本がすっ飛ばせれてる事が多い。コレを守るのと守らないのとでは結構クオリティに差が出ます。左が単純に口をパカッツと開いただけの物。右が真ん中から開くようにした物。
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感覚的には口の真ん中にジッパーの留め具が付いていてそこから左右に広がって行くという感じです。閉まる時はその逆で、口の端から閉まってゆき最後に真ん中が閉じる。
口の端は結構大切なので、いい加減な形状にはしない方がよいです。

また、口シェイプですが作品のスタイルにもよりますが、なるべく複雑なシェイプにならないようにするのが良いです。あくまでわかり易く単純に。英語の台詞だと、"f" "v"などの下唇を噛む音、また"p" "b"などの空気を出して弾ける音 "th"などの下を噛む音時などの口のシェイプは見ていて認識できるように作ります。これらの音のシェイプをちゃんと作らないと、ずれたリップシンクになってしまうので注意してください。
あとは、口の開きにもease in, ease outをちゃんと付けて、スペーシングを綺麗にしてあげてください。”カートゥーンはアニメーションが急に動いて急に止まってる” と思っている人がいますが、そう見えているようでも(たとえフェイシャルであっても)ちゃんとEase in, Ease outは付けられています。



8/03/2013

animationに必要なもの 後編 (from iAnimate lecture)

前回までは、CGでアニメーションに入るまでの話を長々としてきましたが、今回はCGの中でのアニメーションのアプローチについて。

CGキャラクターが「生き生きしている」のと「生き生きしていない」二つの違いは何でしょうか。line of action? posingの悪さ?確かにそれらも要因だとは思いますが、僕の答えは「正しい態度がキャラクターに投影されていない」からだと思います。これは、僕自身の経験や、アニメーションを人に教えた経験からおそらくそうだとおもいます。

では「態度が正しく投影されていない」とはどういう事でしょうか。
それは「少し何かが違っているという状態」だとおもいます。



例えば、上の画像の通り、左の表現を作りたいと思って、作るのですが出来上がった物が右の物だったしたら、どうでしょう。左と右の違いは首の角度のみで、顔の表情その他は全く同じです。首の角度が少し違うだけで全く別物の態度になってしまいます。
首だけでこれだけ違ってくるのですから、もしこれが体の部位の色々なところで起こってしまえば、完全に違った物になってきます。プラス、作っている本人はこのズレに結構気付いていないまま作り続けてしまいやすいです。

例えば、この画像の左側のポーズで首が少し右肩の方に曲がっているのも理由がある訳で、ただただ曲がっているという理由では無いのです。そういうポーズの意味を考えながらつけていけば、ズレは埋まっていくのではないかと思います。で、そこを気付くようになるにははやり、自分で写真や映画などの演技をみて、自分で分析(なぜこのポーズはこういう風に感じるのか見えるのか?)というのをしてみるのが一番だと思います。

最後に、たまにカートゥーン調のアニメーションはリアルな感じのアニメーションより自由度が高くて、簡単というのをたまに聞いたりしますが、僕はその逆で、カートゥーン調のアニメーションの方が、複雑で難しいと思います。

簡潔に言うと、カートゥーンはリアルな動きをベースに極限まで削ったり、強調したりする手法です。つまりは、正しいキャラクターの態度が出来ていないまま、削ったり強調したりすると、曖昧なアニメーションになってしまいます。

以上今までのまとめをすると、
  1. CGの制作に入る前に、自分の作るキャラクターを正しく理解する。
  2. そのショットの中で、見ている人が「共感」出来るポイントを考える
  3. どういう演技が「共感」を生むのか考える
  4. CGキャラをアニメーションする際に自分が見つけた「共感」を正しく反映させる
  5. 他人に見せる
最後に他人に見せると書きましたが、コレは本当に大事で、自分でずっと作っている徐々に全体が見えなくなってしまいます。コレを修正出来るのが他人の目です。

今まで書いてきた事プラス「サブテキスト」や「フィジカル」なことなどまだまだ色々要素が必要ですが、この基本部分が出来ていないとそういう事も無駄になってしまいます。
まずは、キャラクターの正しい「態度」を作って「共感」を作ることにが一番の基本だと講義を通じて学んだ事です。

7/20/2013

animationに必要なもの 中編 (from iAnimate lecture)

前回は"empathy"というキーワードがヒントという事で終りました。
今回はコレがどういう風に理解に繋がっていったかを書いていきたいと思います。

最初にまず考えたのが、どうすれば"empathy"を作れるアニメーションなのか。
そもそも、言葉の意味は辞書を見れば乗っているのですが、コレをアニメーションにどう繋げていけばいいのか。その答えはある日のレクチャーで明確になります。
その日に見ていたのはこの映画でした。レクチャーで見たのもまさにこのカットです。

*ここまでの話のバックグラウンドとしてはこの男が一度メジャーリーグをあきらめ少年野球の監督をしていたが、ふとしたきっかけでまたメジャーリークを目指す可能性が出てきた設定です。

このシーケンスは素晴らしい演技が色々有るのですが、このとき質問されたのは6:09~6:30辺りを見て何か気付く事は無いか?でした。何か気付いたでしょうか?少し考えてみてください。




このときに言われたのは、車のドアの閉め方でした。彼はゆっくりとドアを閉めています。なぜでしょうか?



それは子供が中で寝ているからです。そしてフロントにゆっくりと鞄をおきます。
「ああ、いいパパなんだな」
こういう物が"empathy"だと理解しました。そしてそのゆっくりとドアを閉める動作が所謂"unique texuter"でありキャラクターを表す物だとも理解したのです。
このシーケンスからわかるこの男のキャラクターは、「見かけ振る舞いはとてもワイルドな性格だけど、とても子供思いで何よりも子供が大切に考えている。」
ただ車のドアを閉めるシーケンスだけからこれだけのキャラクターが見えてくる演技、これが、彼らが普段アニメーションに落とし込もうとしている”演技”だと言う事を明確に理解したのです。ここまでわかればもう後は簡単だ!と思いますが、そう簡単に物事はすすまないのです。。。

後編へ



7/15/2013

animationに必要なもの 前編 (from iAnimate lecture)

ほぼ、2年位"iAnimate"という、online animation schoolをしていたのですが、今回は最初凄く苦悩した事を書いてみたいと思います。

最初に始めたときに、よくメンターから、「ユニークなアニメーションを作りなさい」とか「ユニークなテクスチャーを入れなさい」とか注意され続けていました。この頃は正直、「ユニークなアニメーション、テクスチャー」という物が理解できていなく、何をどうしたら良いのかわからない時期が続きました。

最初は、「突拍子もない派手な動き」の事(所謂、cartoonyのみたいな物)をさしているのかと思い cartoonyの出来損ないみたいな見当違いのアニメーションを作ったりもしていました。もちろん、そんな物を作ったレビューの日には「そのキャラがそんな事をするモチベーションがわからない」と注意をされましたし、「そこにソレを入れる意味が無い」とも言われました。理由付けが無いのに、そんな突拍子もない動きをつけるな、という注意をされました。そしてまた、暗黒に。試しては間違いの連続。もう、あのときはひたすらパニックになっていた感じでした。

その苦悩は結構後のワークショップまで引きずって、言われれば何となくわかるけど、イマイチぼやけている理解でした。指摘されれば「ああ〜」、でも自分だけで作ると何かボケた感じ。 で、ワークショップが進むにつれて、どんどん多くのキーワードが出てくました"negative space" "golden poses" "arc" etc etc。もう色々出てきて全てをどうつなげたら良いのか自分の中で消化不良を起こしていました。でその中で出会った一つのキーワード"empathy"。ある日のレビューでアニメーションにはコレが大切だと言われました。
もちろん言葉の意味はわかっていましたし、何となくは理解していました。コレが、ヒントになってその後今までわからなかった事が全部繋がるのですが、この時点ではコレをどうアニメーションでどう表現してよいかはまだわからないままでした。

つづく。。

2/17/2013

リファレンスの使い方とか

アニメーションを付けていて、ポーズの写真を資料として多いのではないのでしょうか?
皆さんどのように利用しているのでしょうか?以前の僕などは、集めるだけで終わっていましたが、最近はワークフロー的なものが出来ているので、こんなやり方も有るよという感じでまとめていきたいと思います。


  • まず気に入った写真を見つけたら、なぜソレが気に入ったかを分析してみる。

これの場合は力強さを感じたから。

  • 次になぜ力強さを感じたかを考える
  1. 右手のあげ方
  2. 左手のテンション
  3. 胴のY軸ローテションの具合
  4. 前のめりになっている
  5. カウンターになってる首の角度
  6. あごのあがり方
  7. 大きく開いた口
  8. 次に伸びが想像できる、コンプレッションされたポーズ
こんな感じです。で、この”なぜ”という部分がとても大切で、ソレこそが、そのポーズを構成している要素だからです。それらが積み重なって、この力強いポーズになっているのです。もしこれの首がカウンターでなく右にティルとしていたらきっとこんなに力強いものにはならないでしょう。こういう風にして、そのポーズの構成要素を見ていくのも一つの勉強だと思います。

もう一枚

この写真の面白いところは、説明が無くてもその場を誰がコントロールしているかが明らかな点です。で、また同様になぜそう見えるのかチェックします。

  1. 右の人は手を開き、さらに体を左の人に向け前に傾いており、オープンスペースになっているが、もう一人の方は、右半身が後ろに回って離れようとしている。
  2. 左の人は、体が直線的になっていて、テンションがかかっている。緊張が感じられる一方、右の人は緊張は感じられない
  3. 右の人の視線はまっすぐ左の人を見ているが、左の人は視線は合ってはいるが、顔自体少し背けている。
  4. 左の人の唇が力が入って横に伸びている
などなど。

これがそのまま当てはまるカットが有るかと言えば、無いかもしれませんが、何がそのキャラクターの態度を構成しているかというのを分析するのにはいいのではないでしょうか。上の様に派手な写真で見ていくのは簡単ですが、下のような動きの少ないものでやる方が個人的には面白いと思います。というのも、そういう細かい所こそが、キャラクターのユニークな所になり、演技となるからです。