6/08/2016

最近のVFX事情あれこれ

今回は最近のVFX事情についてまとめてみたいと思います。バンクーバー、モントリオール、イギリスを中心に話を進めていきます。耳にすることが多くなった、カナダの事情や、今僕自身がいるイギリスの事情について触れていこうと思います。


まず、カナダですがバンクーバーが今非常に活気があります。またこれから紹介していく他のどの場所よりも1番VFX関係の日本人が多い場所であるかと思います。理由としては、まず仕事の多くがバンクーバーに流れているため、多くの人が必要とされているからです。しかしながら、バンクーバーで仕事を得るのが簡単か?いえば事はそんなに簡単ではなく難しいと言えると思います。バンクーバーには多くの大手VFX会社がありますが、どの会社も即戦力を欲しがっています。そのため多くの会社はこぞってミドル以上のレベルを雇いたいと考えています。ですのでミドル以上にとっては、求職し易い場所かもしれませんが、ジュニアだと色々と苦労するかもしれません。また、住宅費が高く、安いフラットなどは競争率が高く、なかなかよい物件を見つけられないとも聞いています。


主な会社
Sony Pictures Imageworks
MPC
ILM
Animallogic
Image Engine
Method Studio
Scanline VFX
Double Negative


次に同じカナダのモントリオールはどうでしょうか?
こちらは会社自体は多くは在りませんが、映画を中心に活動している会社が何社かあります。また、タックス援助で海外から来た会社以外にも、ローカルでありつつビックタイトルを手がけている会社もあります。さらにモントリオールはVFXだけでなく、ゲーム産業も盛んなので、UBIソフトなどの大手も存在しています。なので、ゲーム関係の仕事として海外で働いてみたいと思っている人にも良い場所だと思います。またモントリオールは今のところ全体的に契約期間が長い傾向があるので、そのあたりも魅力的な部分だともいえます。モントリオールはバンクーバーに比べると、移住してくる人が少ないため、比較的ジュニアに近いレベルでも仕事を得る機会が多いとも思えます。デメリットとしては、日本人が多くないという点と第一言語が英語ではなくフランス語、そして冬は非常に寒いと言うところでしょうか。


主な会社
Framestore   
Cinesite   
MPC    
Rodeo FX   
Atomic Fiction   
UBI          
Warner
Edios     


さて、最後にイギリスですが、他の場所に比べると非常に会社が少ないです。そして、ワーホリを取得するのも非常に困難な状況です。ですので、日本人が非常に少ないのが現状です。さらに、ポンドが非常に強いので、ワーホリで来ても収入がなければ、すぐ貯蓄が無くなってしまうという危険があります。しかしながら、イギリス勢の会社がカナダに支社を出したり、オスカーを獲得したりと勢いがあるのも事実です。ここ数年前からVRなどの技術などに注目し力を入れている会社も多く見ます。イギリスを選ぶメリットとしては、映画だけでなく、CMの仕事を兼任している大手もあるため、映画とCMの選択が可能です。もともとロンドンにある大手VFX会社の多くはCM会社から始まったため、いまでもその仕事をひきつづき続けているのです。


主な会社
ILM
Framestore   
Cinesite   
MPC    
Double Negative
Mill
Third Floor



また、各会社毎にそれぞれ特色があり、Sony ImageworksはVFX とフューチャーアニメーションを手掛けています。MPCは各支店毎にそれぞれのプロジェクトを運用していますし、Scanlineは水系のエフェクトを得意としています。FramestoreはVFX系ですが、クリチャーなどのアニメーションが多いプロジェクトをよく手掛けます。Double Negativeも最近は、ロンドンとバンクーバーそれぞれで、プロジェクトを完結する方向になってきています。Millはオシャレな映像を常に作り続けており、Third floorは高品質なプレビズ作成の会社として有名です。CinesiteはVFXもフューチャーアニメーションも両方手掛けていますが、フューチャーアニメーションはモントリオールでのみ作成されています。

簡単に各場所のポイントをまとめてみましたが、もし、海外で働いてみたいと思っているならば、自分が1番やりたいことに少ない苦労で到達できるように各場所の傾向を調べつつ、応募してみてはどうでしょう。


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